当社は、184.9nmと253.7nmのUV主波長とする低圧水銀ランプを搭載したコンパクトな卓上型UVオゾン洗浄改質装置を製造しています。

184.9nmと253.7nmのUV光は、様々な種類の表面から有機汚染を除去することが可能です。

当社のUVオゾン洗浄改質装置は、シリコン、石英、金、ステンレス、銅、ニッケル、アルミニウム、ガリウムヒ素、アルミナ、ガラス、ITO、雲母、サファイア、セラミック、プラチナ基板、LCDおよび LEDディスプレイ、AFM プローブやチップ、SEMやTEMのサンプルなど、ほとんどの素材の表面を化学薬品を使用せず、簡単、安価、迅速にデバイスにダメージを与えることなく、原子レベルに近い清浄な表面を数分で清浄化することが可能です。

低圧水銀ランプの種類と特性

低圧水銀ランプには熱陰極タイプと冷陰極タイプの2種類が存在します。電子放出方式の違いで分けられており、冷陰極は熱陰極と比べ発光効率が悪くなります。冷陰極タイプは単位密度が低く紫外線強度が低い事から、試験での結果を反映した実機以上での使用法に制限が有り、洗浄・改質用途には不向きであると考えられています。

当社の低圧水銀ランプは、熱陰極タイプを使用しています。

  熱陰極タイプ 冷陰極タイプ
ランプW数(単位密度) 高い 低い
UV強度(出力) 高い(数十mW) 低い(数mW)
ランプ寿命(※連続点灯条件下) 6,000時間 10,000時間
生産用途 実績多数 小型サイズのみ

石英材の種類

ランプに使用する石英ガラスの種類により、紫外線透過特性が変わり、ランプ性能が変わります。洗浄改質用途においては、185nmの短波長を効率よく透過させる合成石英製低圧水銀ランプを使用する必要があります。

A.合成石英・・・高い透過性を持つ高性能石英
B.天然石英・・・185nm付近の透過率が50%程度
C.溶融石英・・・220nm以下の波長をカット

石英の種類と透過率
石英の種類と透過率
縦軸:透過率(%)、横軸:波長(nm)

当社の低圧水銀ランプは、合成石英を使用しています。


低圧水銀ランプの寿命

低圧水銀ランプは点灯(使用)を続ける事で、発光管内の不純ガスが増加し管壁が汚染され、UV照度の維持率が著しく減衰していました。当社ではこれらの要因を抑制する為に、ランプの改良を行ない、寿命末期のUV照度を高く維持することが可能な長寿命シリーズのランプを開発致しました。これらのランプを使用する事により、処理量の増加やランプ使用本数の減少、安定した生産管理が可能になるなど、あらゆる面で効果を発揮致します。

低圧水銀ランプの照度推移
低圧水銀ランプの照度推移(254nm)
縦軸:照度(%)、横軸:経過時間(h)

UV照射装置とは

紫外線(UV)は、フォトンエネルギーが比較的高く、ランプの発する波長によって、生体に対して新陳代謝の促進、有機物の除去、表面洗浄、表面改質、殺菌・浄化、オゾン脱臭殺菌、硬化・接着・乾燥など、多くの用途に利用されています。

身近なところでは、ブラックライトがあります。
主とした波長は、300nm~400nmで、医学、生物学や美術品の鑑定などの分野で利用されています。

表面洗浄、表面改質の用途には、184.9nmと253.7nmを主波長とした低圧水銀ランプが用いられており、装置自体は、紫外線クリーナー(UVクリーナー、UVオゾンクリーナー)、紫外線洗浄装置(UV洗浄装置)、紫外線表面改質装置(UV表面改質装置)などと呼ばれています。

殺菌・浄化の用途には、細胞内のDNAに作用し損傷を与える254nmの波長を用いられ、水の洗浄や、オゾンを発生させることにより、脱臭などの目的にも利用されています。

硬化、接着、乾燥の用途には、365nmなどの波長域を出力する高圧水銀ランプやメタルハライドランプが用いられ、装置の名前は、紫外線硬化装置(UV硬化装置)、紫外線キュア(UVキュア)、紫外線乾燥装置(UV乾燥装置)などと呼ばれています。

一概に紫外線照射装置(UV照射装置)と呼ばれるものは、紫外線ランプ(UVランプ)の種類や、発せられる波長によって、色々な使い方に分けられています。


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