UV(紫外線)についてのよくあるご質問
UV洗浄表面改質装置とは、どのような装置ですか?
「UVオゾン洗浄装置」「UVクリーナー」「UVオゾンクリーナー」「UV/O3洗浄装置」「紫外線オゾンクリーナー」とも呼ばれたりする装置です。184.9nm、253.7nmを主波長として、有機物の分解除去、表面改質、親水化をするための装置です。
基本構成はどのようなものでしょうか?
- UVランプ
- 光源ユニット(光漏れカバー、反射ミラーなど)
- ランプ点灯制御する電源
- オゾン排出ブロワー+ダクトホース
以上、4点が基本構成となります。
ASM401N、ASM1101N等では、どのような波長を使用するのですか?
主に184.9nmと253.7nmの短波長です。
波長によりエネルギーは違うのですか?
波長が短いほどエネルギーが高く、特に184.9nmでは有機物の結合を切断するほどの強いエネルギーを持っています。
184.9nmと253.7nmのエネルギーは具体的にはどのような量ですか?
184.9nmの波長は、647kJ/mol、253.7nmの波長は、472kJ/molです。
代表的な分子結合エネルギーは?
- C-C 347.7
- O-O 138.9
- C=C 607
- O=O 490.4
- C-H 413.4
- O-H 462.8
- C-F 441.0
- H-F 563.2
効果の確認方法はどのようにすれば良いでしょうか?
接触角計を使用した、純水をワークに落としその角度を測り濡れ性を確認するのが一般的です。その他、クロスカットと呼ばれる剥がし評価方法や、安価な濡れ試薬による評価も行われています。
主な消耗部品は?
定期的にUVランプを交換するだけで繰り返し設備を御利用頂くことができます。ランプは低電力な低圧水銀ランプを使用しますので、経済的です。
UVランプの寿命はどれくらいですか?
低圧水銀ランプは、設計寿命が連続点灯で6000時間です。設計寿命を超過しますと能力が低下しますので、新品に交換してください。積算メーターが、装置には付いており、簡単に確認が可能です。
エキシマ紫外線照射装置との違いは?
メリットは、1)172nmの高エネルギーでの照射 2)瞬時点灯 などがあります。ただし装置が比較的高価です。
オゾンとはどのようなものですか?
3つの酸素原子からなる酸素の同素体です。分子式は O3 で、折れ線型の構造を持っています。腐食性が高く、生臭く特徴的な刺激臭を持つ有毒物質である。大気中にもごく低い濃度で存在しています。オゾンはフッ素に次ぐ強力な酸化作用があり、殺菌・ウイルスの不活化・脱臭・脱色・有機物の除去などに用いられます。
オゾンはどのように発生するのですか?
低圧水銀ランプから発生するオゾンは空気中の酸素に184.9nmのUV波長が反応して生成します。
O2 + hν → O + O
O2 + O → O3発生するオゾン濃度はどのように測定すればいいでしょうか。
常時測定する装置などオゾン濃度測定装置は、多くの測定装置メーカーから販売されていますが、簡易的な手法として、北川式検知管を用いた測定器があります。検知管とガス採取器で構成されており、オゾンを簡単に測定できます。
発生するオゾンはどのように処理されますか?
低圧水銀ランプから発生するオゾンは空気中の酸素に184.9nmのUV波長が反応して生成します。 同時に出力されているもう一つのUV波長253.7nmがオゾンを強制的に分解します。 空気中の酸素濃度(約30%)とUV反応である事と、分解が同時におこることで(高圧放電生成方式と比較して)高濃度のオゾンは生成されません。 40~110Wクラス低圧水銀ランプでのオゾン生成量は数百ミリグラム/Hr、オゾン濃度にして数十ppm程度です。ランプ1本から生成された程度のオゾン量では人に対して直ぐに重大な害を与える濃度にはなりませんが、数十秒いるだけでも息苦しいような臭気を感じ数分で気管支を痛められたり気分が悪くなったりする可能性はあります。オゾンの安全性については、オゾン濃度0.1ppm以下の環境下で一日8時間労働という規定がございます。(日本産業衛生学会『許容濃度等の勧告(2004年度)』)オゾンの外部への流出を防止する方法は、活性炭吸着法や特殊吸着ハニカムフィルターなどが多く用いられます。ランプ1本から生成されたオゾン量の場合、数秒活性炭と接触させる事で無害な濃度まで低減することが可能です。
オゾンを排気する設備がありません。どうすればいいでしょうか?
設置場所にオゾンを排気する設備がない場合、オゾン分解装置を取り付ければ安全に使用することができます。「オゾンキラー」「オゾン分解器」「オゾン分解ユニット」などと呼ばれています。
UVの照度は、サンプル-ランプ距離の調節や調光で、どれくらいのレンジで調節可能ですか?
短波長の紫外線は距離の二乗に反比例して照度が減衰します。各反応に紫外線を利用する際に近距離での照射が有利になる理由です。表面処理に用いる場合の照射距離は10~30mm程度までで行われることが殆どです。反対にあまり近距離で照射するとランプとランプの間の照度ムラが生じますので、数センチ距離が適正です。また、標準の低圧水銀ランプは調光機能を持たせる事は、構成上高くつくため稀です。直ぐに照度が復帰するよう待機時に通電を行っておく2段階調節機能を加えることは生産設備で時々組み入れられています。
ホットプレート(MAX300℃)などを組み込むなど、カスタマイズ対応は可能でしょうか?
300℃あたりまで可能です。ステージにホットプレート機能を組み込むことの対応はさせて頂きます。ランプ照度は50℃以上で能力が半減してしまいますので、効果の事前確認を行うことは必要です。
各装置は、「オゾンレスランプ」への対応は可能ですか?
可能です。石英の種類を変更することにより、220nm以下の波長をカットし、 253.7nmを主波長とするUVランプをご提供させていただきます。
AFM(原子間力顕微鏡)のカンチレバーやプローブ、対象物の洗浄に、UVオゾンクリーナーは使用できますか?
はい、使用可能です。ウェット洗浄では落としきれない有機汚染物質を除去でき、低コストでの導入が可能です。 オゾン分解装置一体型モデルASM401ozなら、100Vの電源のみで、50mm角のワークサイズまで対応しております。熱陰極ランプを使用した高照度のスペックの為、ガスの供給も不要です。