UV洗浄表面改質とは、低圧水銀ランプから発光される短波長の紫外線の持つエネルギーとそれにより発生するオゾン(O3)の力で、素材表面の有機系皮膜除去やプラスチック表面の親水化によって密着力・接着力を向上させる洗浄表面改質方法の一つです。
UV洗浄表面改質装置で用いられる低圧水銀ランプから発せられる紫外線は、二つの波長(184.9nm、253.7nm)を主波長としており、低圧水銀ランプを用いた洗浄表面改質装置は、一般に「UVオゾンクリーナー」、「UV洗浄装置」、「紫外線表面改質装置」などと呼ばれています。
まれに混同される技術として、ランプの仕組み等により他の波長域を照射する『UV照射装置』が存在します。
例えば、高圧水銀ランプを用いた365nmを主波長とするUV硬化装置(UVキュア、UV乾燥)や、254nmを主波長とする殺菌用途など、『UV洗浄表面改質』とは仕組や用途が異なります。
波長域 | 利用事例 | |
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365nm | UV硬化装置(UVキュア、UV乾燥) | |
308~313nm | 皮膚病などの治療用UV照射装置 | |
254nm | 殺菌、脱臭装置 | |
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UVによる洗浄・改質の特長
ドライプロセス
洗浄液を用いるウェット洗浄に対し、UVオゾン洗浄は、低圧水銀ランプより発せられる紫外線のエネルギーにより洗浄改質を行うため、化学薬品を使用しない省資源、省エネルギー、環境負荷の低減を可能とした地球にやさしいドライプロセスです。
ノンダメージ
UV光のみでの処理のため、プラズマ表面改質等と異なりワーク表面にダメージを与えずに洗浄・改質が可能です。プラズマ表面改質の場合、イオン衝撃による帯電ダメージは深刻な問題となり、デバイスの電気的特性の劣化につながります。UVオゾン洗浄改質処理では、プラズマ放電を伴わない酸素ラジカルによる表面処理が可能です。
真空設備が不要で低コスト
真空チャンバーやポンプなどの大掛かりな真空設備が不要で、一般大気圧環境下で紫外線照射をおこない、コストを抑えて洗浄表面改質が可能です。また、処理時間など生産効率の高い洗浄改質処理が可能です。
多様なワークに対応
ワークの形状や大きさに合わせた低圧水銀ランプの組み合わせをご提供いたします。現在、184.9nmと253.7nmの波長域は、まだLEDによる光源は実現していません。技術の導入事例として、例えば液晶・有機ELパネル等フラットパネル製造業界での導入事例が多く見られます。また、それ以外にも接着性・密着性向上の為に自動車部品やスマートフォンの外装の製造工程、細胞培養向けに濡れ性向上などにも導入されています。
導入事例
対象物・製品 | 素 材 | 用途・効果 |
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