UVオゾン洗浄・表面改質装置を使用する際は、装置から発生するオゾンを適切に排気する必要があります。排気は安全対策だけでなく、装置内への酸素供給やUVランプ電極部の冷却にも関係し、安定した処理性能を保つための重要な要素です。
本記事では、UVオゾン洗浄・表面改質装置に排気が必要な理由と、排気をそのまま室内へ放出してはいけない理由を解説します。
工場の排気設備やドラフトへ接続する方法、室内排気が必要な場合にオゾン分解装置を使用する方法についても、イラストを交えて紹介します。
Q1:UV表面洗浄改質装置の排気はなぜ必要なのか?
UV表面洗浄改質装置では、排気ファン(ブロワ)によって装置内の空気を入れ替えます。この給排気には、オゾンの生成を安定させる役割と、UVランプの電極部を冷却する役割があります。
排気の役割 その一:オゾンの生成促進
対象物の表面洗浄・改質を安定して行うには、装置内でオゾン(O3)を継続的に生成する必要があります。オゾンの生成には、空気中の酸素(O2)が欠かせません。
そのため、装置内へ新しい空気を取り込み、内部の空気を排出して、雰囲気を常に入れ替える必要があります。
つまり、排気ファン(ブロワ)は装置内の空気を排出するだけでなく、給気を促す役割も担っています。表面洗浄・改質の詳しい仕組みについては、下記ページをご覧ください。
それでは、装置内が具体的にどのような状態になるのかを確認します。
「給排気なし」と「給排気あり」の場合を比較してみましょう。ここでは当社のASM401ozを例に、図中の「A-A」線で切断した内部の状態をイラストで示します。



給排気を行わない場合でも、装置内に残っている酸素から一時的にオゾンは生成されます。しかし、時間の経過とともに酸素が不足し、オゾンの生成量が低下するため、表面洗浄・改質効果も不安定になります。
安定した処理性能を維持するためには、大気から新しい空気を取り込みながら、装置内の空気を排出し、内部の雰囲気を継続的に置換することが重要です。
排気の役割 その二:ランプ電極部の空冷
UVランプは、電極部の温度が高くなりすぎると紫外線照度が不安定になります。そのため、当社のUV表面洗浄改質装置では、給排気ファン(ブロワ)の風を利用してランプ電極部を空冷しています。
ただし、ランプは単純に冷やせばよいわけではありません。電極部が冷えすぎた場合にも照度が低下したり、不安定になったりする可能性があります。
当社の装置は、ランプ電極部の温度が高くなりすぎず、冷えすぎない範囲に保たれるよう設計しています。また、一部機種を除き、給排気量を微調整できる構造になっています。

写真は、ASM401ozのレンタル機で実際に使用しているUVランプです。積算照射時間が長いため、電極部には黒化が見られます。
赤丸で示した部分がランプの電極部です。この部分が高温になりすぎても、冷えすぎても照度が不安定になるため、給排気ファンの風によって適切な温度範囲に保っています。
以上のように、給排気はオゾン生成に必要な酸素を供給するとともに、UVランプ電極部の温度を安定させる役割があります。続いて、装置の排気をそのまま室内へ放出してよいかを解説します。
Q2:UV表面洗浄改質装置の排気ってそのまま室内にして問題ない?
装置からの排気を、オゾンを処理しないまま室内へ放出することは避けてください。
オゾン(O3)は強い酸化力を持ち、表面洗浄や改質に有効です。一方で、適切に管理されていない状態で吸入すると、人体へ影響を及ぼすおそれがあります。
そのため、装置の排気は工場の排気設備やドラフトへ接続するか、オゾン分解装置を通してから室内へ排出する必要があります。オゾンの性質や安全上の注意点については、下記ページをご覧ください。
室内へ排気する必要がある場合は、排気中のオゾンを分解してから放出します。
当社では、オプションとしてオゾン分解装置をご用意しています。装置内部のオゾン分解触媒を通過させることで、排気中のオゾンを酸素へ分解します。


写真は、オゾン分解装置と、その内部に使用されているオゾン分解触媒です。
オゾンは不安定な物質で、時間の経過とともに酸素へ戻ります。ただし、自然分解には時間がかかるため、処理せずに室内へ排気すると、室内のオゾン濃度が高くなるおそれがあります。
オゾン分解触媒を通過させることで、オゾンの分解を促進し、排気中のオゾン濃度を低減できます。
ただし、オゾン分解装置が必要なのは、室内へ排気する場合です。次のいずれかに該当する場合は、通常、オゾン分解装置を使用せずに排気できます。
- UV表面洗浄改質装置を、接続可能な工場排気設備へ接続する場合
- UV表面洗浄改質装置をドラフト内で使用する場合
UV表面洗浄改質装置の給排気は、オゾン生成の安定化、UVランプ電極部の冷却、安全なオゾン排出のために重要です。設置環境に応じて、工場排気設備、ドラフト、オゾン分解装置を適切に選択してください。
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