UVオゾン洗浄改質装置のコラムページへご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、「配管の圧力損失とは?」についてのコラムです。よろしくお願いします。
UVオゾン表面洗浄改質装置コラムで「配管?圧力損失?UV照射装置となにか関係があるのかな?」と思われた方が、多いと思います。実は弊社UV装置の一部分に少しだけ関係しており、意外と導入に当たって検討項目になるため、今回テーマとしてまとめてみました。
このあたりの知識がない装置を使う上でさほど重要というわけでは無いのですが、知っていた方が装置をより良いコンディションでお使いいただけると思いますので、ご興味ある方はぜひ最後まで一読ください。
さて、それでは圧力損失ですが弊社UV装置のどの部分に関係しているのでしょう?
弊社UVオゾン洗浄改質装置は「紫外線照射エリアへの給気・オゾン排気・ランプ空冷」が必須であり、そのためにブロワーの接続が必要なのですが、その接続にはダクトホースを使います。ダクトホースは蛇腹になっていて取り回しは多少は自由なのですが、あまりに取り回しの曲げがきつかったりしますと、装置内に取り込む風量や風速にロスが生じることもあり、この際に圧力損失が無視できなくなります。
UV装置で圧力損失が発生するとすればそれはダクトホースの部分であり、装置内への給気・オゾン排気・ランプ空冷の目的で装置内に取り込む風量や風速にロスが生じることがあるということです。ロスが生じれば当然、装置の照度などに影響してきますから、今回はこの圧力損失について少し書いていこうと思います。
厳密に言いますとタクトホース部分以外にも圧力損失が発生する部分はあるのですが・・・・。その部分まで範囲を広げてしまうとコラム自体がかなり長くなって、且つ話が少し複雑になってしまうので今回は割愛させて頂きます。
UVオゾン洗浄改質装置の排気の接続事例
まずはUVオゾン洗浄改質装置の排気の接続事例です。
「オゾン分解装置の有無」によって多少接続が異なりますが、基本的には同じ構成です。
図中のダクトホースの取り回しが極端にグニッと曲がった状態ですと、圧力損失が発生する場合があるということです。ちなみダクトホースを採用しているのは装置レイアウトの自由度の確保のためです。
装置を図のように直線状に必ず配置できるとは限らない(ほぼ無い)と思いますので、ダクトホースを使った接続を弊社ではしています。ホース少し曲げて配置する程度であれば、何の問題も起こりませんのでご安心ください。
さて、ダクトホース部分で発生する場合がある圧力損失についてですが、そもそも圧力損失とは一体どのようなものでしょうか。イメージとしては理解していても正確に説明できる方は実際少ないのではないかと思います。ここで圧力損失について簡単ではありますがそのメカニズムについてご説明させていただきます。
圧力損失とは
当然ですがダクトホースでもステンレス配管でも配管内に流体を流すには流体自体に流れるためのエネルギーがなくてはいけません。先ほどの図中ブロワの吸い込みによって装置内には外気が取り込まれます。言ってしまえば、装置内に吸い込まれた直後の外気はたくさんの運動エネルギーを保有している状態です。
それがブロワ吐出口までの長い距離(ダクトホース内)を移動する中で吸い込み直後に保有していたエネルギーをどんどんと消費しながら吐出口まで進むといった具合です。
そのエネルギーの消費量はダクトホースの取り回しによる屈曲の強弱、屈曲箇所の多少、ダクトホース内面がザラザラしている等、それらの影響で大きくなったり小さくなったりします。
車が真っすぐな道を走る、曲がりくねった道を走る、壁にぶつかりながら走るというシーンを想像して頂くとわかりやすいと思います。曲がりくねった道や壁にぶつかりながら走るのと、真っすぐな道を走るのでは真っすぐな道を走る方が走りやすいことは想像に難しくないと思います。
流体もこれと同じ理屈です。上記のような状況になればなるほど「疲れて」エネルギーを消費してしまいます。これがいわゆる「圧力損失」の正体です。
「流体のもつエネルギー = 運動エネルギー + 位置エネルギー(液体の場合) + 圧力エネルギー 」となりますが現実のプロセスではほとんどの場合、配管入口~出口間の配管径は同じで流速一定なので運動エネルギーは変化しません。
もし配管入口~出口で配管径が異なったとしても運動エネルギーは他の2つのエネルギーと比較して、とても小さいため無視しても問題ないレベルです。
つまり、流体のエネルギー変化を考える場合には「高さの差(位置エネルギー)」と「圧力エネルギー(圧力損失)」の2点だけに着目すれば良いというわけです。
今回、対象となる流体が液体ではなく「気体」になりますので、気にしなければならないのは圧力損失のみになります。
弊社装置の接続に使用するダクトホースくらいの長さの取り回しであれば、よほど極端に屈曲させない限りは何の問題もありません。
もし設置レイアウトの都合でホースがもっと長くなり且つ、取り回しの屈曲箇所が多くなるような場合には注意が必要になってくるでしょう。
冒頭で書いた通り、圧力損失は弊社UV装置にちょっとだけ関係していることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
ホース部分の圧力損失について気にすることは大事ですが、必要以上に気にする必要はありません。装置の設置都合でもう少しホースを長くしなければならない、あるいは屈曲箇所が少し多くなりそうというケースに当てはまりそうな御客様は今回コラムを参考になるだけ屈曲箇所を少なくして、屈曲の程度も小さくなるようにしてみてください。
それでは今回はこのあたりで。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回コラムもよろしくお願いします。