工業用装置の高周波規制について

いつもお世話になっております。

今回テーマは「工業用装置の高周波規制について」です。よろしくお願いします。

高周波を利用した設備は、設置する際に総務省に届出を個別に実施するか、あらかじめ総務大臣から技術基準に適合していることの指定(型式指定)を受ける必要があります。

弊社のUV照射装置も高周波を利用しておりご利用に際し、本規定に違反しないか相談を受けることがあるため、まとめさせていただきました。

結論から言いますとあすみ技研のこれらの装置は高周波規制の届け出は不要です。


UV照射装置のどこに高周波電流が発生するような部分が・・・・?ランプ点灯させるだけではないのか・・・・?と思われた御客様。これについて後述させていただきます。


さて、そもそも高周波規制とはどのような内容なの・・・・?というところから入っていきましょう。


高周波規制とは

電波法第100条において、下記の規定があります。

(高周波利用設備) 第百条 左に掲げる設備を設置しようとする者は、当該設備につき、総務大臣の許可を受けなければならない。
一 電線路に十キロヘルツ以上の高周波電流を通ずる電信、電話その他の通信設備(ケーブル搬送設備、平衡二線式裸線搬送設備その他総務省令で定める通信設備を除く。)
二 無線設備及び前号の設備以外の設備であつて十キロヘルツ以上の高周波電流を利用するもののうち、総務省令で定めるもの
2 前項の許可の申請があつたときは、総務大臣は、当該申請が第五項において準用する第二十八条、第三十条又は第三十八条の技術基準に適合し、且つ、当該申請に係る周波数の使用が他の通信(総務大臣がその公示する場所において行なう電波の監視を含む。)に妨害を与えないと認めるときは、これを許可しなければならない。
3 第一項の許可を受けた者が当該設備を譲り渡したとき、又は同項の許可を受けた者について相続、合併若しくは分割(当該設備を承継させるものに限る。)があつたときは、当該設備を譲り受けた者又は相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人若しくは分割により当該設備を承継した法人は、同項の許可を受けた者の地位を承継する。
4 前項の規定により第一項の許可を受けた者の地位を承継した者は、遅滞なく、その事実を証する書面を添えてその旨を総務大臣に届け出なければならない。
5 第十四条第一項及び第二項(免許状)、第十七条(変更等の許可)、第二十一条(免許状の訂正)、第二十二条、第二十三条(無線局の廃止)、第二十四条(免許状の返納)、第二十八条(電波の質)、第三十条(安全施設)、第三十八条(技術基準)、第三十八条の二(無線設備の技術基準の策定等の申出)、第七十一条の五(技術基準適合命令)、第七十二条(電波の発射の停止)、第七十三条第五項及び第七項(検査)、第七十六条、第七十七条(無線局の免許の取消し等)並びに第八十一条(報告)の規定は、第一項の規定により許可を受けた設備に準用する。

電波法より高周波利用設備とは、抜粋すると下記のとおりになります。

  1. 電線路に10kHz以上の高周波電流を通ずる電信、電話、その他の通信設備
  2. 無線設備及び前号の設備以外の設備であつて10kHz以上の高周波電流を利用するもののうち、総務省令で定めるもの

通信設備ではありませんので、まず1には非該当です。

そして10kHz以上の高周波電流を使用していないので設置の届け出は不要です。


次に電波法施行規則第45条に下記の規定があります。

(通信設備以外の許可を要する設備)
第四十五条 法第百条第一項第二号の規定による許可を要する高周波電流を利用する設備を次のとおり定める。
一 医療用設備(高周波のエネルギーを発生させて、そのエネルギーを医療のために用いるものであつて、五〇ワットを超える高周波出力を使用するものをいう。以下同じ。)
二 工業用加熱設備(高周波のエネルギーを発生させて、そのエネルギーを木材及び合板の乾燥、繭の乾燥、金属の熔融、金属の加熱、真空管の排気等工業生産のために用いるものであつて、五〇ワットを超える高周波出力を使用するものをいう。以下同じ。)
三 各種設備(高周波のエネルギーを直接負荷に与え又は加熱若しくは電離等の目的に用いる設備であつて、五〇ワットを超える高周波出力を使用するもの(前二号に該当するもの、総務大臣が型式について指定した超音波洗浄機、超音波加工機、超音波ウエルダー、電磁誘導加熱を利用した文書複写印刷機械、無電極放電ランプ、一般用非接触電力伝送装置及び電気自動車用非接触電力伝送装置(電気自動車(電気を動力源の全部又は一部として用いる自動車をいう。)に搭載された蓄電池に対して給電できる非接触型の設備であつて、鉄道のレールから五メートル以上離れた位置に設置するものをいう。以下同じ。)並びに第四十六条の七に規定する型式確認を行つた電子レンジ及び電磁誘導加熱式調理器を除く。)をいう。以下同じ。)

見やすく抜粋しました。

  1. 医療用設備(高周波のエネルギーを医療のために用いる設備)
  2. 工業用加熱設備(高周波のエネルギーを木材・ 合板の乾燥、金属の溶融、金属の加熱、真空管の排気等工業生産のために用いる設備)
  3. 各種設備(高周波のエネルギーを直接負荷に与え又は、加熱若しくは電離等の目的に用いる設備

ポイントは、高周波出力が50ワットを超えない設備や型式指定・型式確認の設備は、許可は不要ということです。

弊社の標準装置は、50ワット未満の為こちらの条件についてもクリアしています。これも弊社装置が許可不要の理由になります。

高周波利用設備の概要(総務省ホームページ)はこちら


高周波の利用部品

さて、それでは先ほど書きましたがUV装置についてどこの部分に高周波電流を発生させる部分があり、何故それが規制の対象にならないのかについてご説明します。

UV装置で高周波電流を発生部分はランプ・・・・ではなくて、ランプを点灯させる為の安定器と呼ばれる部品になります。そしてこれは高周波規制の対象外になります。

過去、総務本省に確認を取った記録がありますので転記します。


高周波規制対象外の確認の記録

「紫外線ランプを点灯させるための安定器が高周波利用設備に該当しない理由ですが、通信設備以外の許可を要する設備として電波法施行規則第45条で「医療用設備」、「工業用加熱設備」、「各種設備」の三つが定められていますが、紫外線ランプを点灯させるための安定器は、いずれにも該当しないと考えるためです。高周波のエネルギーを直接負荷に与えていないため非該当との認識でよい。」


とのことです。こちらの回答ですと出力云々の前に、『そもそも該当設備ではないよ』というご回答でした・・・・。でも『各種設備』の説明がちょっとわかりにくく・・・・。


いかがでしたでしょう・・・・高周波規制についてまとめてみました。

詰まるところ、弊社の表面改質装置は高周波規制対象外となりますのでお気軽にご利用いただけます。購入はもちろん、レンタルも承っておりますのでご検討されている御客様はぜひ一度あすみ技研まで御連絡ください。

それでは今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。