UV装置の透明除き窓は本当に覗いても平気?

UV表面洗浄装置コラムページへご訪問いただき、ありがとうございます。

今回は「UV装置の透明除き窓は本当に覗いても平気?」というテーマで書いていきます。ご興味ある方はぜひお付き合いください。

さて、弊社のUV表面洗浄改質装置の中でも1、2を争う人気商品で「ASM1101N」という機種がありまして、その装置には今回のテーマに挙げました「覗き窓」があるのですが・・・・。それがこちら↓

UV表面洗浄改質装置 ASM1101N
UV表面洗浄改質装置 ASM1101N
ASM1101N 覗き窓
ASM1101N 覗き窓

装置扉には処理中の試料の様子を確認するために覗き窓を設けております。弊社でも受託照射処理、特にフィルムや薄くてとても軽量の物を処理する際にはこの覗き窓から様子を見たりします。

処理対象物が軽いとオゾン排気風の影響でヒラヒラヒラ~としてしまう場合もありますので。「・・・・オゾン排気風?」と思われた方。ご興味あれば、こちらの記事もお読みいただけましたら幸いです。↓

UV表面洗浄改質装置の排気はどうしたらいいの?

そんな覗き窓から中を覗いている私たちの様子を見ていた御客様から、

「それって覗いて害はないんですか?目にダメージが蓄積するとか・・・・」

確かに入社した時に先輩から「覗いても平気だから安心して」と言われてきたので何の疑問にも思わなかったのですが、初めて装置を見る方やあまり馴染みがない方からすれば漠然とした不安や疑いがあるのかもしれません。

そこで今回は覗き窓の外側でUV照度を測定して、本当に害が無い程度までUVカットできているのかを確かめてみようと思います。カットできてなかったら大問題です・・・・。


さて、それではやってみましょう!

照度を測定する装置は冒頭で紹介した「UV表面洗浄改質装置 ASM1101N」です。照度測定条件は下記のとおりです。

測定条件

ランプ点灯直後
暖機運転開始直後のランプの様子
暖機運転後のランプの様子
暖機運転後のランプの様子

暖機運転前後ではランプからの光の出方が違ってきます。カメラマン(私)が悪いのか装置のランプが優秀なのかはわかりませんが、この写真だとあまり暖機運転前後の違いが分かりませんね・・・。

・・・・きっと弊社のランプが優秀なんでしょう!

この暖機運転はランプの照度安定の為には欠くことのできない作業となります。詳しく知りたい方はこちらのリンクを参照ください。

低圧水銀ランプの発光原理

ちなみにですが覗き窓から見える光の色。これがUV光の色と思われるかもしれませんが、この色はUV光の色ではありません。実は自分も入社したばかりの頃はそう思ってました・・・・懐かしい。

弊社UVランプの主波長は「184.9nm」と「253.7nm」でこれは可視光の波長外となる為、目視で確認することはできないはずなんです。

・・・それでは、あの光は一体何なのか?

主波長は上記の波長帯ですが、それ以外の波長の光が全く発せられていないというわけではありません。可視光の波長帯の光も僅かですが発せられています。

つまり弊社のUVランプの光は「青白く見える可視光」と「目に見えない紫外線光」が混ざったものになります。

ですので短い波長帯の光は原則見えないのですが、他の波長帯の光と混ざることによって可視光として認識できるとお考えいただければと思います。


さて、本題に戻りまして照度測定の結果です!!

波長253.7nmの照度測定中
波長253.7nmの照度測定中
照度計 モニター画面
照度計 モニター画面

って結果、写真に出ちゃってますね。安心しました・・・・。大丈夫なはずと思っているのに、なんでドキドキするんでしょうね。


最後に今回のことをまとめたイラストをご用意しました!

光の種類

補足しますと・・・・

200~280nmの波長域の紫外線は波長が短いのでエネルギーが大きく、生物のDNAに吸収される最も有害な紫外線です。つまりはUV表面洗浄改質装置から発せられる波長域です。

殺菌作用、有機物の分解に用いられ有用である反面で扱いを間違えれば大変危険ですが、覗き窓がこの波長帯の紫外線を完全にカットできています。


さらに透過率曲線を御覧ください。

透過率曲線図

これなら覗き窓から様子を見ても問題はありませんね。これからも安心してあすみ技研のUV装置をお使いいただければと思います。

それでは今回はこのあたりで。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。