いつもお世話になっております。今回テーマは題して「UV表面洗浄改質装置ランプの照度安定のコツ 前編」です。
弊社のUV表面洗浄改質装置をより良いコンディションでお使いいただくためのヒントにしていただけますと幸甚です。1回で全て書くと長尺になってしまいますので全2回の構成、今回はその1回目となります。よろしくお願いします。
さて、弊社のUV装置ですがコンセントプラグを100V電源に挿し込めばすぐにお使い頂けるようになっています。「電源の確保以外に冷却水やドライエアーも・・・・」となりますとユーティリティが負担になってしまいますが、弊社装置は基本的にユーティリティの負担を軽減した仕様となっております。
電源確保できましたらスイッチONですぐにランプ点灯するので速やかに処理を行うことはできるのですが、装置をより良いコンディションでお使いいただく為に注意点と言いますか、気にしていただきたいことはあります。これについては取扱説明書にも記載はありますが、その部分は強調されているわけでもないので気付きにくいかもしれません。
それは「ランプ照度の安定に要する時間」です。「本処理前の装置の暖機運転」とも言い換えられるでしょうか。
例えばですが・・・・
1日の始まりにランプを点灯させる。つまり1発目のランプ点灯直後というのはランプはまだ冷え切った状態です。冷え切った状態でもランプは点灯しますがその照度(ランプ出力)は低いですし、なかなか安定もしません。
それでもランプ点灯すれば洗浄改質は行われますので、それで満足な効果が得られている場合は良いと思います。ですが「せっかく使用するなら装置のコンディショニングを行って使用したい!」という御客様はコラムをご参考にしていただければと思います。
それではまず始めに「何故、ランプが冷えているとランプ照度(ランプ出力)が安定しないのか?」ということについてから簡単に説明をさせていただきます。
UV光を用いた表面洗浄改質処理を行う場合、ランプは「低圧水銀ランプ」というものを使用します。ちなみにですが「低圧水銀ランプの発光原理」についてもコラムをUPしておりますので、原理も気になる方はそちらもよろしくお願いします。
さて、話を本線に戻しますと・・・・この低圧水銀ランプのランプ照度(ランプ出力)には温度依存性があります。
ランプ温度が低いとランプ内に封入されている水銀ガス圧も低くなります。水銀ガス圧が低いと励起される水銀原子の数も少なくなりますのでその結果、傾向としてランプ照度(ランプ出力)は低くなります。
逆にランプ温度が高い場合にはランプ内の水銀ガス圧も高くなり、励起される水銀原子数も多くなります。励起される水銀原子数が多すぎると、今度は多くなりすぎた水銀原子による光子(UV光)の再吸収が起こりやすくなる為、その結果としてこの場合も傾向としてランプ照度(ランプ出力)は低くなります。
・・・・と文章で書きますとこんな感じですが、わかりづらいと思いますのでイラストをご用意しました。こちら見ていただければ、イメージがつきやすいかと。
いかがでしょうか。イラストのような感じで人間にも調子のいい、動きやすい気温があるようにUVランプにも調子のいい温度というものが存在します。
特別意識しなくても装置を使用していればいずれランプは温まるので本来の調子になるのですが、使い始めから「絶好調!!」という感じで御使用になりたい場合はぜひ暖機運転を行ってください。
では実際にどのように、どれくらいの時間で暖機運転を行えばよいのかという目安については・・・・、
次回の②でご紹介したいと思います。ご興味ある方はそちらもよろしくお願いします。全機種のご紹介ではなく、選抜してのご紹介になると思いますが・・・・。
それでは今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。