オゾンの危険性
オゾン分解装置コラムページにご訪問いただき、ありがとうございます。今回はオゾン分解装置に関係はしているのですが、それ自体のことではありません。オゾン分解装置に関係した、もっと根本的なことをテーマにしようと思います。
今回テーマは「オゾンの危険性」についてです。まさに根っこの部分ですよね。
オゾンの危険性について見聞の無い御客様、既にご存じの御客様もいらっしゃるかとは思いますが、まだご存じない御客様にはオゾンの危険性について知っていただき、既にご存じの御客様には改めてオゾンの危険性を確認していただけるコラムにしたいと思っていますので、お時間あればお付き合いください。
オゾンは人体にとって有害な物質です。ですが、オゾンの危険度はその濃度によります。つまりはそれなりの濃度に達しないと重篤な健康被害にはならないということです。
「ではそれなりの濃度とは・・・・?一体どれくらい・・・・?」
こう思われた方も多いのではないでしょうか。ここからは具体的な数値を交えながら説明を続けさせていただきます。
オゾン濃度 [ppm] |
症状 | 備考 |
---|---|---|
0.01~0.02 | 多少の臭気を覚える(やがて馴れる) | |
0.1 | 明らかな臭気があり、鼻や咽喉の刺激を感じる | ※1:産業衛生学会許容濃度委員会 ※2:高濃度オゾン利用研究専門委員会 |
0.2~0.5 | 3~6時間暴露で視覚低下 | |
0.5 | 明らかに上部気道に刺激を感じる | |
1~2 | 2時間暴露で頭痛・胸部痛・上部気道の渇きと咳が起こり、 暴露を繰返し受ければ、慢性中毒となる | |
5~10 | 脈拍増加、肺水腫を招く | |
15~20 | 小動物は2時間以内に死亡する | |
50 | 人間も1時間で生命危険 |
出典:杉光英俊『オゾンの基礎と応用』より
許容濃度:日本 0.1ppm 日本産業衛生学会による勧告基準(2006)
- 労働者が一日8時間、週40時間程度の労働中に肉体的激しくない労働に従事する場合の曝露濃度がこの数値以下であれば、ほとんど全ての労働者に健康上の悪影響が見られないと判断される濃度。
- 「オゾン利用に関する安全管理基準(2005年3月)」に「オゾン発生設備が収納されている室内のオゾン濃度が0.1ppmを超えた場合、警報を発する手段を講じること」等の安全な利用についてまとめらている。
オゾン濃度による危険性を表にまとめてみました。この表のとおり、国内で定める許容濃度(日本産業衛生学会による勧告基準)は0.1ppmですが、このくらいの濃度ですと鼻や喉に刺激を感じるレベルです。ですので、通常はこの段階で不快感を覚えて本能的に退避行動を起こす事になるのではないかと思います。
弊社が把握している限りではこれまで高濃度のオゾンに暴露した事による重大事故(死亡もしくは重傷)は一件もありません。但し、低濃度の暴露で「気分が悪い」ですとか「喉が痛い」といった事例が発生していることは考えられます。
実は社内にも体験者が・・・私も注意します!
オゾンの危険性については幸いにも私たち人間のセンサーが低濃度の段階で感知してくれますが、どうしても人間の感覚には「慣れ」というものもあります。侮る事なく「正しく怖がる」という事が大切ですね。
いかがでしょうか。オゾンの危険性、少しはおわかりいただけたでしょうか。
弊社のUV表面洗浄改質装置(ASM401N、ASM1101N)は表の中では10ppm以上という高い濃度のオゾンが発生しますので、装置をご使用される際には室内の排気設備に接続してご使用いただくか、オゾン分解装置を接続してのご使用をお願いしております。装置について疑問、質問ございましたらお気軽にお問合せください。
それでは今回はこのあたりで失礼します。最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。