あすみ技研のUVコラムをご覧いただき、ありがとうございます。
普段お客様から様々なご質問を頂戴しますが、中でも「ランプの寿命はどれくらい?」というご質問をよく頂きます。
装置自体は長くお使いいただけますが、ランプは寿命を迎えてしまえば交換が必要になりますので、当然気にされる方も多いことと思います。
そこで今回はランプの寿命をテーマに、「なぜ寿命があるのか」「どうなったら交換が必要なのか」といった部分を書かせていただこうと思います。よろしくお願いします。
ランプの寿命とは
弊社の低圧水銀ランプの寿命は連続点灯で6,000時間ほどとなっていますが、この寿命とは実は電極(フィラメント)に塗られているエミッタ(電子放射性物質)の寿命のことなんです。
詳しくは別コラムでご説明してますが、ランプ点灯時にはエミッタから大量の熱電子が放出されています。その放出の度にエミッタは消耗されていき、いずれ熱電子が放出されなくなってしまい寿命を迎えます。
『エミッタ?熱電子?何のこと?』と思われた方は、ぜひこちらのコラムをご覧ください!
エミッタは点灯時(放電時)の温度上昇によって激しく消耗されるため、オンオフを繰り返すとその分寿命が短くなってしまいます。この点灯時のエミッタの消耗をできるだけ抑えるために、弊社のランプは放電に必要な電圧をかける前に余熱用の低い電圧でフィラメントを予熱しています。この予熱おかげで急激な温度上昇を防ぐことができ、ランプの長寿命化につながっています。
ランプを交換するタイミング
ではランプはどのタイミングで交換すればいいのでしょうか?
答えはいたってシンプル。
「ランプが点灯しなくなったら交換」です。
ちなみにこれはオンオフを繰り返して使用する場合の話です。
コンベア式の装置のような連続点灯(つけっぱなしで使用)の場合は交換目安の6,000時間を過ぎてもランプが切れることはありません。
ではなぜ連続点灯では6,000時間という寿命設定になっているのか…それはガラス管内の不純ガスの増加や管壁の汚染などにより照度が基準以下に低下してしまうからです。
低圧水銀ランプは蛍光灯と同じく「照度が初期値の70%」になったら交換が推奨されています。弊社のランプは連続点灯で使用した場合「照度が初期値の70%」に近くなるのが約6,000時間経過後なので、このような寿命設定になっています。
ここで少し話を戻しますが、オンオフを繰り返して使用する場合は、先にご説明した通り余熱をしているとはいっても連続点灯と比べるとエミッタの消耗が激しく、「照度が初期値の70%」になる前にエミッタを消耗しきってランプが切れてしまいます。
ランプが切れるまでの時間はオンオフの頻度や使用場所の温度などによっても変わるので、○○時間という目安を設定することができず、「ランプが点灯しなくなったら交換」となっています。
ただ、目安が設定できないとはいえ、『どれくらい使えるものなのかざっくりでも知りたい!』と思われる方もたくさんいらっしゃると思います。「点灯しなくなるまでが寿命です。」だけじゃ全くイメージわかないですもんね・・・・。
なので普段お客様からご質問をいただいた際は、「使用環境によって変わりますが1,500時間ほどで交換されるお客様が多いです」と回答させていただいています。
ここまで6,000時間や1,500時間といった寿命の目安をお話ししましたが、「今トータルで何時間使っているのか」を確認するためについているのがこちらの【アワーメータ】です。
このアワーメータを確認していただければ積算照射時間が一目瞭然なので、ランプ寿命の管理も簡単に行えます。ランプが切れてしまう前に余裕をもって交換用ランプの準備ができるので、ランプが急に切れて装置が使えない!といった事態も避けられます。
※ 交換用ランプの納品には約10日、物によっては1ヵ月ほどかかります。
以上、ランプの寿命について書かせていただきました。かなり文字多めのコラムになってしまいましたね・・・・。
本コラムが皆様の疑問を少しでも解消できていましたら幸いです。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。